自転車のホイールの組み方

自転車のホイールの組み方自転車のホイールの組み方を一から解説します


スポーク長は?

まずは、スポーク長を決めなければなりません。

スポーク長の計算方法はネット上にもいろいろ出ているようなのですが、今回全くの準備不足で調べていかなかったためメンテオフでご一緒してたitaさんに計算して貰いました(笑)

結果、以下のパーツの組み合わせとスポーク長で組むことにしました

フロント:ラジアル組み
スポーク長→196mm

リア:片面タンジェント組み(4本組み)/片面ラジアル組み
スポーク長→スプロケ側203mm/反対側193mm

スポークカッター登場!

スポークカッターは超高価な工具なので(20万くらいするらしい)、スポークを購入したショップであらかじめカットして貰うのが一般的だと思うのですが、今回は秘密基地に鎮座するスポークカッター(takuさん贈)を使わせて貰いました♪

お借りしたのはKOWAというメーカーのスポークカッター
操作は簡単。スポーク長を設定して1本ずつスポークをセット、レバーを下げれば規定の長さにカット完了。またニップルを付ける部分のネジも半自動で切ってくれるので素人でも問題有りません。

フロントホイールはラジアル組み

フロントホイールは「軽量&見た目に格好いい」という理由からラジアル組みを採用します。一般的に強度的面で劣り乗り心地が硬くなるということですが、小径車の場合ホイール・スポークへの負荷も小さいので問題ないそうです。

ラジアル組みはハブからリムに対してスポークが放射線状に広がる形状なのであまり難しく考えなくても組めますw

まずはカットしたスポークを全てハブに通しちゃいます。
ラジアル組みの場合、左右とも全数外側から内側にスポークを通します。

ハブの「ULTEGRA」と書かれた部分とリムのバルブ穴の位置を合わせると格好いいので、ハブの向きを合わせてバルブ穴の隣から組み始めます。

どちらの面から始めても問題有りませんが、始めた面を全て通してから反対面へ行った方が組みやすそうです。左右面のスポークをリムの穴に対して交互に通していくことになるので、この場合、片面の作業時にはリムのスポーク穴を一つおきに通していきます。

分かりにくいですが、リムの穴は24個なので、片面12本のスポークを一つおきに入れればちょうど1周って感じです。

これはあくまで仮で組んでいるだけなのであまりニップルを締め込み過ぎない方がいいかも。締めすぎると最後の方でスポークが入らなくて苦労します(笑)

一応スポークが組み終わったら、ニップルから出ているねじ山を基準にして全てのスポークの長さが同じになるように調整します。この後、長い調整が待ってるのでだいたいで大丈夫ですw

タテ振れをとる

だいたい調整したら振れ取り台にセットして細かく調整していきます。
ホイールの振れにはホイール自体が円形に近いかどうかを判断する「タテ振れ」と、ホイールの回転面が平面に近いかどうかを判断する「ヨコ振れ」があり、その両方をバランス良く取っていかねばなりません。

まずは、じょじょにスポークのテンションを上げながら縦振れを取ります。

振れ取り台のゲージをリムの外側ギリギリに近づけてホイールを廻してみると、ところどころでゲージとホイールが接触します。この部分でホイールが膨らんでいるということなので、ニップルを締め混んでテンションを上げます。

ニップルを締める際は一気にやると全体のバランスが大きく狂うので、1/4回転ずつくらい、何度もホイールを回転させながら調整した方が良さそうです。

しばらくやってると何となくコツが分かってきますが説明のしようがないので、まぁ、やってみてください(笑)

センターゲージでセンターを出す

ホイールは自転車のフレームに対して正面から見た状態で中心に付いていなければいけません。なので、ハブに対してリムがちょうど真ん中になるように調整します。

そこで登場するのがセンターゲージ
中心にあるナットを固定することでハブのナット部とリム側面の位置関係を計る工具です。

センターゲージを使うとハブに対してリムを左右どちらにどれくらい移動する必要があるのが「だいたい」わかります。んで、この位置関係を意識しながら左右の振れ取りを行います。

また、センター位置の確認は一回だけではなく左右のヨコ振れを取りながら何度も確認して置いた方が良いかと思います。

ヨコ振れを取る

振れ取り作業も大詰め、ヨコ振れを取ります。
一気に調整しようと思っても無理なので、まずはだいたいの感じで位置を合わせつつ、徐々に精度を上げていく感じが良いように思います。

マイクロメーターで左右の振れを確認して追い込んでいきます。

基本的に振れ取りはニップルを「締める」事で調整します。
なので、たとえばある部分のリムを向かって右へ移動させたい場合はハブの右側から引いているスポークのテンションを上げることになります。

というのが基本なのですが、これだけだと「これ以上締められない!」となって行き詰まってしまうことがあります。そんなときは反対側のスポークのテンションを下げてみるのがコツだそうです。

で・・・、ひたすら振れ取り台に向かうこと数十分。
突き詰めれば振れ取りは「どこで妥協するか」ということになるので、まぁだいたいこれくらいでイイでしょ、と自分が納得したところで終了(笑)

リアホイールはタンジェント組み&ラジアル組み

リアホイールはちょっと変わった組み方をします。
駆動時に大きなトルクが掛かるスプロケット側は強度が上がるタンジェント組み、それほどトルクが掛からない反対側は見た目にかっこよく軽量なラジアル組みにします。

スプロケ側はタンジェント組み(4本組み)にするので、ハブに対してスポークを上下交互に差し込んでいきます。

反対側はラジアル組みなので全数外から内へ通します。

タンジェント組み(4本組み)では、4本のスポークを1セットと考えて組んでいきます。
この組み方ではバルブ穴と交差するスポークの位置関係を誤ると、空気を入れるときにスポークの交差部が邪魔になってしまうので、まず、バルブ穴の位置を基準にスタートします。

バルブ穴の正面にハブの「ULTEGRA」の文字を持ってきて、向かって文字の右側にあるハブの外側に向かって出ているスポークを①、そこから左へ4本目のハブの内側に向かって出ているスポークを④とします。

①と④を④が外側になるように交差させ④のスポークをバルブ穴の左隣のスポーク穴に差し込みます。続いて①をその二つ左の穴に固定します。これでスタート位置が定まりました。

次は先ほどの③に当たるスポークを①として、そこから4本セットで同じことの繰り返しです。今回のホイールは24Hなのでこれを6回繰り返すとタンジェント組み側の仮組みが完成します。

続いて反対側。
フロントホイールと同様にラジアル組みで組んでいきます。

あとは基本的はフロントを組んだときと同様にタテ振れを取り、センターを確認して左右位置を意識しつつヨコ振れを取っていきます。リアホイールの方が難しいらしいのですが、今回初ホイール組みの僕としては作業が慣れてきたリアの方がスムーズだったように思えます。

ホイール組みは理詰めで行う作業なので、理屈っぽい僕には向いてるかもしれないw

リムテープを貼って完成!

最後にリムテープを貼って完成!
今回使用した「パナレーサーのリムテープ」はあらかじめリムにあった長さにカット&接着されているのでリムに巻き付けるだけでオッケーです。

大事なのはリムテープのバルブ穴の位置をリムとしっかり合わせることですが、写真のように穴にドライバーなどを通して固定した状態で作業すると簡単なのだそうですよ♪

というわけで、itaさん、takuさん、yoshiko2さんを初めとする皆様からいろいろと教えていただいたおかげで無事に初ホイール組みが完了しました!

いや~、まだ乗ってないですが、自分で組んだホイールで走るのは何となく不安な気もしつつ、きっと感慨深いものでしょう(笑)

今回使用したアイテム

今回使用したアイテムはこちら~

 
この記事へのコメント(8件) |コメント入力欄へ
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かめねこ2010年6月15日 22:51返信

やっぱ自分で組んだホイールで最初に走った時は感動~したよ!
俺が組んだのにちゃんと走るじゃんに始まって、こんな坂でも
全然平気じゃんとか、今の段差でもノープロブレムとか
一日走りきってスポーク折れなかったじゃんってことで
感動が積み重なっていっそう自分の自転車に愛着が湧くの間違いなしだよ

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taku2010年6月16日 22:58返信

inaさんは振れ取りならまかせなさ~い!と自信がついたとか(^-^;

今回使用したアイテムに勝手に追記

振れ取り台(PARKTOOLS TS-2)
http://www.hozan.co.jp/parktool/catalog/Wheel_truing_stands/TS-2.2.html

センターゲージ(使用したのはVAR製で同等品がHOZAN C-335)
http://www.hozan.co.jp/cycle/catalog/wheel/C-335.htm

なお、ミノウラの振れ取り台はお勧めできませ~ん

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ina2010年6月16日 23:40返信

>かめねこさん
ですよね!やっぱり~
まだタイヤが来て無くて走れないのですが、7月になれば少々時間も空きそうだし、タイヤも届くと思うので今から楽しみです♪

>takuさん
追記ありがとうございます!
機種までは分からなかったので助かります。

価格を見るとついミノウラの振れ取り台に手を出しそうになりますが、やっぱりアレはイマイチですか・・・

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ina2010年6月16日 23:45返信

ところで気がついたのですが、PARKの振れ取り台を日本で買うと5万円以上するんですが、海外通販だと2万強で買えるんですね・・・

http://shrsl.com/?~3cq

これくらいの価格差なら、PARKの方が良いなぁ

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ふみまろ2010年6月17日 12:42返信

inaさんに先を越されましたね。
増車しないかぎりホイールを組む予定がありませんが。

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ina2010年6月17日 18:44返信

>ふみまろさん
パーツ自体は1年前くらいにそろってたので、随分遅ればせながらの初ホイール組みになりました(笑)

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taku2010年6月17日 22:30返信

> やっぱりアレはイマイチですか・・・
PARKTTOLSとVARのを使った後でミノウラを触ってみれば愕然とするでしょう(笑)

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ina2010年6月18日 09:07返信

>takuさん
それはなるべく体感したくないですね(笑)
必要なときはまた、秘密基地に遊びに行きます♪

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