呑川緑道と桜並木散歩

呑川緑道と桜並木散歩呑川の流れに造られた呑川緑道の桜並木を堪能するお花見ツーリング

走行日 2011年4月 2日(晴&曇)
走行距離 50 km
使用した愛車 ルノー(RENAULT) AL-FDB14
コース概要 JR蒲田駅→呑川→旧呑川緑地→旧呑川の河口部→羽田可動橋(呑川河口)→池上本門寺→本村橋(洗足流れ合流)→洗足流れ→洗足池→清水窪湧水→かつ久→九品仏緑道→九品仏川源流→九品仏浄真寺→九品仏川合流→柿の木坂支流合流→柿の木坂支流緑道→柿の木坂支流源流付近→駒沢オリンピック公園→駒沢支流緑道→呑川源流→駒沢給水塔→渋谷

4月といえば桜の季節です。
せっかく桜のタイミングで埼玉に帰ってきたので東京の桜スポットでも走ってみようかな~、と、前に作った東京の桜の名所マップを眺めていたところ、以前から走ってみたいと思っていた呑川沿いに桜並木があることに気がつきました♪

東京の川巡りと花見が同時に出来ちゃうなんて一粒で2度美味しいね(笑)
ということで、今日は東京都南部を流れる都市河川「呑川」を探訪しつつ桜並木を堪能したいと思います。

呑川は、世田谷区の桜新町付近を源流として東南に向かって流れ大田区の東糀谷付近で東京湾に注いでいる二級河川です。
その流れにはいくつかの支流があり、そのうち目黒区柿の木坂を流れる「柿の木坂支流」、世田谷区奥沢の浄真寺付近から流れる「九品仏川」、大田区清水窪を水源とする洗足池から流れ出る「洗足流れ」などいくつかの流路は緑道として整備されておりポタリングに最適なコースとなっています。

今回のポタリングでは、基本的に呑川本流の流れを追いつつ途中でこれらの支流とその源流などを探し求めつつ走ってみたいと思います~
呑川の河口部を確認してから上流に向かって走ろうと思うので、河口部に近いJR蒲田駅まで輪行してきました 蒲田駅の北側を流れる澱んだ緑色の川が呑川。微妙なスメルが漂うぜ! どんよりとした流れとは裏腹に川沿いには桜並木が続いており、ちょっと早いけどなかなかキレイ

まずはJR蒲田駅から東へ向かい呑川の河口方面へ向かいます。

地図で現在の流れを確認すると東へ向かって真っ直ぐ流れる形になっているのですが、実はこれ昭和40年代後半に新河道として造られたものです。
もともとの流れは現在の流れの北側をもっと蛇行するように流れており、その流路は現在、旧呑川緑地として公園化されています。せっかくなので旧呑川の流れに沿って河口まで向かい、海への接続を確認してから現在の呑川に沿って走ることにしましょう~
呑川の旧河道を利用した旧呑川緑地は区立東蒲中学校の東側で本流とわかれています かつての河道は全て埋め立てられて公園化されていますが、所々に川の名残が残されています よく見ると古い護岸がそのまま残っていたりもしますよ。

古くは灌漑用水や飲料水としても利用されていたという呑川の流れですが、戦後になって付近に住宅や工場が増えたことで水質が悪化。
東京オリンピックのために養殖場が埋め立てられたことから名物であった大森海苔の養殖も終了してしまい、昭和三十年代半に埋め立てが開始され、その後五十年頃には今のような緑地になったということです。

東京を流れる中小河川にはありがちなエピソード。。。
旧呑川緑地には桜の木も結構植えられているのですが、残念ながらまだ咲いてませんでした。 旧呑川の河口部には比較的新しい水門が現役で稼働している模様。水門裏にわずかに残った流路には何艘かのボートが係留されていました。 平和島運河と森ヶ崎水再生センターの間にある遊歩道を走って現在の呑川の河口へ向かいます。
河川改修後の呑川の河口はかつての河口から森ヶ崎水再生センターに向かって平和島運河を進んだ羽田空港の北端の西側にあります。
呑川の河口に向かって走っていくと・・・。うん?なんだあれ??橋が変な形に途切れてるぞ!?
なんと回転式の可動橋ではないですか!羽田可動橋という名前らしいのですが、こんなの初めて見た!すげぇ 写真中央の柱の中にモーターとギアボックスが入っていて上部の橋をグルグル回すことで船の通行を可能にしているみたい 隣には森ヶ崎水再生センターの排水口が!どくどく出てる~

↑の可動橋は羽田可動橋という名前で首都高羽田一号線が海老取運河を渡る部分にかけられている橋です。

こんなおもしろスポットだったら首都高速を走っている最中に気がつきそうなものですが、見たこと無いのにはワケがあります。
1990年に羽田空港周辺の渋滞緩和のために造られた羽田可動橋ですが、その後、首都高湾岸線が出来たことから交通量が激減。1998年に短い役目を終え使用停止となり、今後、羽田空港拡張によって交通量が増えるかもしれないのでそのまま残されているということなのです。

動いてるところ見たい!メカっぽくて絶対カッコイイですよ、これは(笑)
続いて現在の呑川の流れを上流へ向かいます。下流部は結構大きな流れで、流れには沢山の船が係留されています 呑川沿いを走れない場所で裏道に入ると、周囲は古くからあるらしい鉄工所や産廃業者がひしめいておりうらぶれた雰囲気~ 河川改修時に微妙に買収され損なった土地に建つ狭小なお宅を発見。これくらい残されても困るだろうに・・・、根性の世界だw
ちょうど、川底に溜まった汚泥の浚渫作業中だったのですが、コレが臭いのなんの・・・
この流れが上流へ向かうことでどんな風に変化するのか楽しみではありますが、都市部の河川の悲哀を感じる瞬間だったりもするわけで。
先ほど旧呑川へ向かった東蒲中学校の対岸にある北野神社。入口にあった桃の花が満開で良い感じ♪傍らには大正時代に建てられた道しるべも残されています。 環八唯一の踏切っていうポスターがあったので写真をパチリ。しかし改めて地図を見たらここは環八ではなく、都道11号だったという罠 蒲田駅付近まで戻ってきました。JRの線路と交差する部分はアンダーパスする地下道が整備されています~
JR東海道線の西側に出た呑川の流れは相変わらず淀んだ緑色~。微妙な悪臭もそのまま~。
周囲は1戸建てが多い低層の住宅地なのですが、夏とかは結構大変なのではないかと・・・
このあたりには基本的に桜がなく淋しげなのですが、新しく出来たと思われるマンションの前には小さな桜並木があったりもします しばらく進むと正面に池上本門寺が建つ丘が見えてきました。桜の名所としても知られる本門寺ですが、まだ桜は咲いて無いっぽい? 本門寺の周囲にはたくさんお寺が集まっているのですが、そのうち御一つ「養源寺」の前は菜の花が満開!

写真では分かりませんが(撮り忘れたw)↑中央の写真の右側にかつて六郷用水が呑川に流れ込んでいた跡が遊歩道として残されています。
六郷用水は以前走った「丸子川」の下流となる用水路。いつか探訪しようと思っていたのですが期せずして終端部を見ることが出来ました。今度、探検しに来ようっと(笑)

さて、今日のテーマは呑川の流れと源流を探検しつつ桜の名所を訪ねることです。
そんでもって、呑川沿いにある桜の名所第一弾は「池上本門寺」です。境内には500本のソメイヨシノが植えられているとか。
というわけで本門寺に寄り道。こちらの総門は質素な造りながら五重塔、大宝塔、経蔵などと共に戦災を免れた数少ない建築物なのです 戦災で燃えてしまったため昭和54年に再建されたという仁王門。大きくて立派なのですがコンクリート造というのが味わい的にイマイチ こちらも昭和39年に再建された大堂。4/8はお釈迦様の誕生日と言うことで、境内では甘茶の販売&試飲が行われていました

甘茶って初めて飲んだのですが、砂糖とか一切入れてないのにほんのり甘くて不思議~。
ちなみにお釈迦様が生まれたときに天から甘露が降り注いだといわれ、そのときの産湯になぞらえて誕生日のこの時期に甘茶を飲むと無病息災の御利益があるといわれているとか。

残念ながら本門寺境内の桜はほとんど咲いて無かったので、境内をサラッと見て再び呑川沿いへ戻ることにしました。
川巡りにはつきものの銭湯を発見!「ちょっと"ゆ"っていきませんか?」というダジャレがイカしている太陽泉という銭湯ですが、残念なことに営業を止めてしまった模様。 マンション建築等で新しく工事したところには桜並木があったりするので、時々桜を楽しむことも出来ますよ。 さらに進むと東海道新幹線の高架のちょっと手前にある「本村橋」の左岸から流れ込む水路が・・・

最初に呑川にはいくつかの支流があり遊歩道化されていると書きましたが、↑の流入水路がそのうちの一つ「洗足流れ」の終端なのです。

洗足流れはその名の通り洗足池を源流とする呑川の支流で、今回巡る源流の中で唯一「源流らしい源流」が残されている場所だったりします。
流れは一部暗渠化されているものの、源流である「清水窪湧水」から湧き出た水が流れる水路と遊歩道がとっても素敵な場所なので、呑川沿いではもっともオススメのスポットかもしれない!
本村橋で呑川本流を離れて道なりに進むと、東海道新幹線の高架をくぐったところで小さな祠と遊歩道の入口を発見! 流路跡である住宅の裏側はものすごく裏道感たっぷりw 暗渠好きにはたまらないこの雰囲気 東雪谷5丁目交差点を過ぎてちょっと進んだ辺りから流れは開渠となり桜並木が続いています。

桜並木の下、静かな住宅街を流れるせせらぎ・・・、いいね~。
洗足流れには小さな魚が泳いでて、周囲にはポツポツと古い趣ある住宅も残ってる。数ある都内の遊歩道の中でもなかなかの楽しさですよ♪

と言っている間に流れはじょじょに急峻になり東急池上線洗足池駅に向かって坂を登っていく形になります。
洗足池駅のちょっと南側。勢いよく水が流れ出す上流端には「この水は洗足池の水を利用しています」と書かれており、どうやら洗足池からここまで暗渠で水を流しているようです 洗足池駅の高架をくぐって中原街道を渡ると洗足池に到着~。周囲には日蓮上人が袈裟をかけたと言われる「袈裟掛けの松」や勝海舟夫妻の墓があります 洗足池の北側に廻ると池に流れ込む水路があります。これが清水窪湧水からの流れなので、さらに上流に向かいますよ!

さぁ、盛り上がってまいりました源流探訪(笑)

洗足池の北側にある小さな流れを追いかけていきますが、流れはすぐに目印のない暗渠になってしまいます。
う~む、事前調査無しに追うのは難しいか・・・?と思いかけましたが、周囲を良く見るとあからさまなくらいに窪地になっている場所があるではないですか!
かつてこの辺りは「清水窪」と呼ばれたそうですが、まさに窪地だよねっていう地形になっており、その谷底を追いかければ源流にたどり着くはず 東急目黒線に掛かる清水窪歩道橋から西側を見ると写真中央付近が明らかに凹んでいるのが分かります 谷底を走っていくと清水窪小学校の西側に出ました。今は地名が北千束となっていますが、所々に名残が残されています
そのまま谷に沿って走っていくと・・・
おぉ、ちょっとした空き地の奥に小さな鳥居がみえますよ。ここが洗足流れの源流「清水窪湧水」です~
こちらが清水窪湧水。呑川の支流の一つ「洗足流れ」の源流となっています。 谷の一番奥にあるため三方を台地に囲まれています。奥に広がる台地は武蔵野台地で、まさにここが武蔵野の果て!? 東京都の名湧水57選にも選ばれている清水窪湧水は古くから大事にされているらしくたくさんお祠が奉られていました。

いいね~、源流を探し求めて、その先にこういう湧き水があるとホント嬉しくなりますよ。
東京23区内にもまだこんな場所が残されているんですね♪

さて、源流探訪を満喫しましたが、ここでちょっと呑川とは関係のない寄り道を一つ。
自転車の改造でいつもお世話になっているyoshiko2さんが田園調布の駅前で自転車を展示しちゃったりするイベントに参加しているということで陣中見舞いにお邪魔しようかと。
田園調布へ向かうべく東急奥沢駅の南側にある商店街「MY CITY OKUSAWA」を南へ。所々に古い建物があったりする楽しげな商店街 イベント会場に着いたもののyoshiko2さんが来てないので隣のとんかつ店「かつ久」で昼食にしました 特ロースカツ定食:2000円。高級パンを材料にした自家製のパン粉を使用したとんかつ。パンのいい香りがして美味かった♪

特ロースカツ定食、量もガッツリで満足すぎた・・・
田園調布でとんかつを食べるようになったとは僕もセレブになったものです(笑)

さて、yoshiko2さんが参加されているイベント「s-ken cycle life2011」を覗いていきましょう~
会場となっている「DADATHEQUE」。カフェだったりバーだったりするようなのですが今日は自転車店になってますw こちらyoshiko2さんのダースベイダー号。相変わらず素晴らしい完成度です。 店内に飾ってあったランドナーが素敵すぎた!僕も一台ランドナー欲しいんだけどな~
この後とても濃い自転車フリークが集まる飲み会があるとのことで後ろ髪を引かれましたが、我々には呑川の源流を探訪するという重大な使命があるので先に進まねばなりません!ということで、DADATHEQUEを後にして、呑川の二つ目の支流である「九品仏川」に向かいましょう。
こちらは田園調布駅。相変わらずオシャレなデザインの駅舎ですね~ 田園調布から東急東横線沿いを北へ向かうと自由が丘駅があり、駅のすぐ隣を九品仏緑道が交差する形で走っています 自由が丘駅から上流側へ向かうもすぐに大井町線に道を遮られ踏切に迂回~

九品仏緑道は呑川の支流の一つである九品仏川を埋め立てた後に出来た遊歩道です。

現在の九品仏川は全面暗渠となっているのですが、じつはちょっと面白い川として有名です。
地図を見ると九品仏川の西側を谷沢川が南北に流れているのですが、この谷沢川の上流部はもともと九品仏川だったということなのです。

文章で説明するのはちょっと難しいのですが、もともと現在の谷沢川上流部から九品仏川に向かって流れていた川が、等々力渓谷を浸食しながら谷を追い込んできた谷沢川と合体し現在の流れとなり、水を奪われた九品仏川は短い川となってしまったということらしいんですよね~。これを河川争奪といい、高低差を地図上に表示してみると九品仏川から東急等々力駅に向かって不自然な低地が続いているのが分かります。
そんな悠久の歴史を感じるダイナミックな地形の変化とは全く無縁っぽい現在の九品仏緑道。整備が古いためかささやかな花壇的な雰囲気です しかし、隣接する住宅がちょっと高いところに建っていたり、歩道に向かって配水管が取り付けてあったりと水路跡を思わせるものがたくさんあったりもします。 しばらく進むと自転車で走ってはいけない木道になるので押して歩いて行きます。源流まではもうすぐ!

暗渠となった川の流れをたどり、自転車を押して木道を進んだ先には・・・
あれれ、源流はどこ?っていう感じの小さな公園がありました。

遊歩道は公園の外に続いているようなのですが、地形を見るとどうも河川跡とは考えづらい感じ・・・?

九品仏浄真寺の北側にあるこの公園は「ねこじゃらし公園」という名前で、かつてこの場所には九品仏川の源流となっていた池があったそうです。
現在、池はすっかり埋め立てられてしまい影も形もないのが非常に残念ですが、公園には桜の木が植えられておりちょうど良い感じに咲いていました。
ねこじゃらし公園の桜。気温が上がってきたことで一気に開花したらしくちょうど良い見頃といった感じです。 むかしはこの辺りに池があったのでしょうか?水源を見ることが出来ずちょっと残念ですね。 ねこじゃらし公園の先にも遊歩道が続いているのですが、九品仏川の流路というわけではなさそうです。

と、レポートを書いていますが、じつは走っているときには九品仏川の源流は南側の九品仏浄真寺境内にあるものだと勘違いしてました(汗)
まぁ、そのおかげで立派なお寺を見ることが出来たので結果的には良かったのだけど。

というわけで、九品仏浄真寺に寄り道~

と、九品仏ってなんでしょうか?
浄真寺の境内には3つの阿弥陀堂があり、それぞれに3体ずつ合計9体の阿弥陀如来像が安置されています。 この9体はそれぞれ、上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生を表し、これをあわせて九品(あるいは九品往生)という。 この九品の仏から、浄真寺は通称「九品仏」と呼ばれている。ということなんですが、どうやら阿弥陀様に9つの名があるということ以外さっぱり意味がわかりません(笑)
阿弥陀様と二十五菩薩が安置されているという仁王門。この門より向こう側は彼岸ということになっています。 1698年に建立されたという本堂。彼岸である三仏堂に対面するように建っており、此岸を表しているらしい こちらが三仏堂のひとつ。同じような建物が3つ建っており、それぞれに阿弥陀如来像が3体安置されています

仏閣を巡っていると、ときどき「彼岸(ひがん)」っていうキーワードが出てきますが、彼岸とは煩悩を脱した悟りの境地のこと。それに対して煩悩や迷いに満ちたこの世を「此岸(しがん)」といいます。いやまったく、僕なんか煩悩と迷いに満ちすぎている人生を送っているわけで、此岸の中でも彼岸とは最も遠い位置にいるのではないかと思えてなりません(笑)

九品仏浄真寺で少しは煩悩が払えた・・・ような気は全くしませんが先に進むべく、再び九品仏緑道を戻ります。
そうそう、九品仏浄真寺の境内にも結構な本数の桜が植えられていてキレイでしたよ 九品仏緑道を自由が丘駅まで戻ってきました。駅近は商店街&桜並木のコラボレーションのおかげでスゴイ人出! 商店街を過ぎると人も少なくなり、気持ちよく走れます。緩やかなカーブを描きながら続いていく遊歩道が川の流れを感じさせます
この九品仏緑道は前に「東京都 富士見坂めぐり」でも走っているのですが、短いながらもなかなか面白い遊歩道なので特に桜の季節はポタにオススメです♪
そのまま流れに沿って下って行くと、九品仏川は東急緑が丘駅を過ぎたところで呑川と合流して終了となります。
東急緑が丘駅を過ぎて正面に東京工大が見えてきたら九品仏緑道も終了となります。 東京工大前の呑川。黒いビニールシートの奥から流れ出ている流れは自然のものではなく下水処理水を地下道で遠く新宿から運んできたものなのです 地下道で東急線をアンダーパスして北側に出ると広々とした遊歩道が続いていました。ここより上流は基本的に埋め立てられており暗渠となっています

高度経済成長期に水質汚濁により埋め立てられてしまった都市河川ですが、無くなってみると寂しいのか清流を復活させよう的な試みが行われています。
具体的にはどこかの下水処理場から地下のパイプで処理水を引いてきてかつての川に流して流れを復活させちゃうよといった、なんというか本末転倒的な話なのですが、ここ呑川の流れも新宿区にある落合水再生センターの処理水なんですよね~。

これらは東京都清流復活事業と呼ばれており、多摩川上流水再生センターの処理水を玉川上水野火止用水千川上水へ、落合水再生センターの処理水を渋谷川目黒川・呑川へと流しています。
東工大を過ぎた呑川緑道は長い桜並木になっており、今日咲いたばかりの桜が綺麗すぎるという幸せ! 東急東横線都立大学駅を過ぎてすぐのところで、道路中央に花壇が設けられた怪しい商店街が!?これが3つめの支流「柿の木坂支流」です 柿の木坂支流緑道もかつての流路跡が桜並木になっています。こんな遊歩道を毎日歩ける近所の人は幸せだ~

柿の木坂支流緑道は駒沢オリンピック公園の東側(目黒区東が丘2丁目付近)から目黒区柿の木坂を通って東急都立大学駅の西側で呑川の合流する約2.1kmの遊歩道です。住宅街の中をひっそりと抜けて行く桜並木になっているのですが人通りも少なくて自転車での花見にはナイスなコースとなっています。

呑川沿いには、自転車向きの花見スポットが多いので、呑川緑道の上流部と支流を繋いで花見ポタコースにするというのはアリかもしれない!
ところどころに昭和30年代を思わせるレトロなアパートとかも建っています。う~ん、渋い 遊歩道の途中で見かけた大きなしだれ桜。無名の桜スポットですがとても立派~ しばらく進むと公園化された遊歩道は途切れてしまい、かつて川が流れていたことを思わせる歩道が現れます

ホントは遊歩道が途切れたら駒沢オリンピック公園経由で呑川に戻ろうと思っていたのですが、ここまで来たら柿の木坂支流の源流を見たい!という、いつもの探検パターン突入してしまい付近を探索します。

しかし、遊歩道の北端より先には流れの痕跡がほとんど残っておらず、唯一、水が流れる音がするマンホールを頼りにウロウロ・・・
遊歩道が途切れた先にはほとんど痕跡がない。地形的に何となくそれっぽいところとマンホールを頼りに進むと・・・ 世田谷区野沢4丁目付近で環状七号線にぶつかってしまい。完全に流れを見失いました。後で調べてもはっきりとした源流の位置は分かりませんでした ちょっと残念だけど再び呑川の本流に戻ります。写真は途中で見つけた、なんとなく河川跡っぽい道にある野沢1丁目公園。これから下る駒沢支流の源流がこの付近らしいです

駒沢オリンピック公園は1954年にプロ野球東急(東映)フライヤーズの本拠地として整備され、その後東京オリンピックの会場として使われた跡地を整備して造られた公園です。広大な敷地には野球場や体育館、ジョギングコースなどが整備されており桜の名所としても有名です。

じつは駒沢オリンピック公園の南側付近にも呑川の支流の一つが流れており、今は影も形もありませんが公園内を縦断する形で駒沢支流という流れがあったみたい。
帰ってから改めて調べたら、どうやら↑で見つけた「野沢1丁目公園」付近も流路だったらしく、我々の勘も結構さえてるなと(笑)
駒沢オリンピック公園内にはジョギングコースとサイクリングコースが整備されていて沢山の人が走ってました。 公園の東南側の出口から出て自由通りを渡ったところから駒沢支流緑道が整備されていました。こちらも桜並木になってます♪ 駒沢支流緑道は1km弱であっという間に終了して再び呑川沿いに戻ってきましたよ
さてさて、ここまでアチコチの支流に浮気してきましたが、ここから先は呑川本流一筋での源流を目指したいと思います
この付近の呑川緑道は他の支流同様に桜並木になっていて東京の桜スポットとしても有名なので、花見をしながら源流探訪と行こうじゃないですか♪
よく見るとかつて橋があった橋に小さな石碑が建っていたりします。かつてここが川であったことが分かる数少ない目印 緑道の両脇は長い桜並木になっていて、桜のトンネルの下を走ることが出来ます。 しばらく進むと、日大のキャンパスのところで暗渠が終了し水の流れが復活します。
この水は一体どこからどこへ流れているのか・・・?なんとなくポンプで循環させている感じがするなぁ。
どこから流れているのか確かめるべくさらに上流へ向かいましょう~
国道246号の手前に吐出設備がありどうやらここから流れているようです。 吐出設備のすぐそばには中小河川跡につきものの銭湯があり、その名も「栗の湯」w。ってあれ?ここ天然温泉みたいですね さらに国道246号の北側に廻るとかつての呑川に掛かっていたと思われる橋の欄干がそのまま残されています。
欄干の所から下を覗いてみると、微妙に水がしみ出しているというか溜まっているというかな感じですが、常時水が流れているという感じではなさそう。
橋の北側は再び暗渠になって流路が続いているようなので、さらに追いかけます。果たして源流は見つかるのか!?
暗渠を追いかけていくとこんな感じで住宅にぶつかって終了。この先に続いているようにも思えるので道なりに探索します。 道なりに進むと都道427号の東急田園都市線桜新町駅付近に出ますが、川の後は完全に消失してしまいます。 駅の北側付近を探してみたけどそれっぽいものは全く見つけられませんでした。

う~む、後半戦は「これぞ源流」っていう場所にたどり着くことが出来ず若干消化不良だな~
っていうか、都内の都市河川は早い時期に下水道として利用されていたことからもともとの源流が残されていないことが多いんだけど・・・

というわけで、確認できた呑川の最上流部は↑の写真にある住宅街の突き当たり部分ってことになりました。
ちなみに桜新町駅がある都道427号は、かつて品川用水が流れていたところなので、もしかしたら品川用水から分水したか漏水した水が源流になっていたのかもしれない

あとは国道246号沿いに走って渋谷方面に帰りましょう~
と思ったのですが、なんか妙に気になる真っ直ぐな道を発見。先に進んでみると・・・ 大きすぎて写真に映りませんが、二つの巨大な塔が鉄橋でつながれた「駒沢給水塔」がみえてきました。1923年にできたものだそうですが、こりゃ凄い 最後は国道246号を東へ向かって渋谷方面へ。土曜ということで激しい人手・・・

という感じで呑川緑道の桜並木と源流探訪もこれにて終了です。
朝は咲いていなかった桜が、気温が高かったことで夕方には一気に開花したってのもラッキーだったなぁ。おかげで十分な花見を堪能できました。

また、呑川及びその支流の遊歩道は、静かで雰囲気も良く、こちらもポタリングには最適なコースではないかと。
次は途中で見つけた六郷用水を上流に向かって探索してみようかな~

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この記事へのコメント(6件) |コメント入力欄へ
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ポタおじ2011年4月 9日 20:35返信

inaさん、ツーレポUPおめでとうございます!
都内の遊歩道にこれだけ桜並木が続いているとは、以外と近所の人以外は気がつかないかもですねえ。
都市河川は利活用のために、流路改変されていることもあるので、源流を推理しながら追いかけるのはワクワクする楽しさがありますよねえ!(ヤバイ、またマニアックモードに入ってしまっていますねえ)
これからも、水路探索の時はよろしくお願いします~

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ina2011年4月 9日 23:47返信

>ポタおじさん
先日はおつきあいいただきありがとうございました!
おかげさまで楽しく水路探訪できました~

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Cappuccino2011年4月10日 00:15返信

inaさん、ツーレポ拝見しました。
午後の部は、ますますエンスー度が高まってますね。
今度は最後まで味わい尽くしたいので、よろしくお願いしますぅ。

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ina2011年4月10日 18:28返信

>Cappuccinoさん
先日は、マニアックな二人におつきあいいただきありがとうございました(笑)

僕は一人の時にはいつもあんな感じですが、もうちょっと人が多いとだいぶんユルイ感じになったりもします。

そんな感じでやってますのでまた遊んでくださいませ~

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ナガ2011年4月14日 00:24返信

暖かくなるとドブ臭が・・・
ということで、春先に一人で行った京浜運河沿いの公園めぐりのリベンジは、涼しくなってから企画しようと思ってます。

で、やっぱり羽田可動橋に食いつきましたね!

ちなみにs-ken cycle life2011には皆さんの次の日に行きました。
知った顔の方には会えませんでしたが、エスケンさんとその奥さんと話ができました。とても気さくな方たちでした。
暗黒技研レーシング部のライバルになる埼玉の小径を扱うショップのチームの方とも話し込んでしまいました。

ダースベイダー号の写真の後ろにかけてある水色のサイクルジャージは、私がゲットしました。
若干生地に痛みはありましたがプジョーの旧ロゴのヤツで、古着屋さんではとてもその値段では出ない安値で買わせていただきました。

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ina2011年4月15日 08:55返信

>ナガさん
羽田可動橋、アレは凄いですね。
B級観光スポットとしてはかなり上位ランクかと(笑)

リベンジも期待してます~

>水色のサイクルジャージ
あ、あれ売り物だったんですねw
もっとよく見てくればよかったかな~

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